「アウトバウンドコールを行いたいが、代表電話での受付ブロック(門前払い)が多くて担当者に繋がらない」 「ターゲット企業のキーマンの連絡先さえ分かれば、もっと効率的に商談が作れるのに……」
BtoBマーケティングやインサイドセールスに取り組む中で、このような課題に直面することはありませんか?
先日、弊社のクライアント様より「アウトバウンド架電をする際に、バイネーム(担当者名・決裁者名)を調査できるツールがあったら検討したい」というご相談をいただきました。同様のケースみなさまも結構あると思います。
そこで今回、代表的なサービスをいくつかピックアップし、機能やコスト面でのリサーチを行いました。備忘録も兼ねて本記事でシェアします。
なぜ今、「バイネーム」アプローチなのか?
従来のアウトバウンド営業は、企業リストの上から順に代表電話へかける手法が一般的でした。しかし、Saasの乱立やリモートワークの普及、セキュリティ意識の高まりにより、受付突破の難易度は年々上がっています。
そこで注目されているのが、「部署・役職・個人名(バイネーム)」を特定してアプローチする手法です。重要な理由としては以下が挙げられます。
- 受付突破率の向上: 「〇〇部の△△様をお願いします」と名指しすることで、取次率が格段に上がります。
- マルチチャネル戦略: 電話だけでなく、SNSやメールなど、その人に合わせた最適なチャネルで接触できます。
注目のバイネーム調査ツール3選 比較表
今回リサーチした3つのサービス(Sales Marker、SHO-GUN、アポトル)の比較まとめです。
| サービス名 | 特徴・機能 | 費用感(目安) | 契約期間 | アクション連携 |
| Sales Marker | 部署・キーマン網羅、インテント情報、SNS | 月額50万円程度 | 年間契約 | テレアポ、DM、メール、SNS |
| SHO-GUN | インテント、部署、キーマン、SNS、導入ツール情報 | 初期15万円+月額9万円 | 半年契約 | アウトバウンド、DM、メール、SNS |
| アポトル | 会社名、部署、キーマン、SNS | 初期15万円+月額20万円 | 年間契約 | SNS、メール、テレアポ |
各キーマンリスト作成ツールの詳細レビュー
1. Sales Marker(セールスマーカー)

【概要】
現在、インテントセールス(興味関心データに基づいた営業)の領域で非常に知名度の高いツールです。
【メリット】
機能の網羅性が非常に高いです。部署情報やキーマン情報の特定はもちろん、企業がWeb上で何を検索しているかという「インテント情報」の精度に定評があります。アクション機能も豊富で、テレアポからSNSアプローチまで一気通貫で行えます。
【考慮点】
高機能である分、コストは高めです。月額50万円程度に加え、基本的には年間契約となるため、導入にはある程度の予算規模と「使いこなす体制」が必要です。
2. SHO-GUN(ショウグン)

【概要】
リサーチの結果、コストパフォーマンスの面で非常に優秀な印象を受けたのがこちらです。
【メリット】
Sales Marker同様にインテント情報、部署・キーマン情報、SNS情報を取得できますが、特筆すべきは「導入ツール情報」が見れる点です。競合ツールの利用状況などが分かれば、トークスクリプトの精度が劇的に上がります。また、月額9万円という安さと、半年契約から始められる柔軟性は、スモールスタートしたい企業にとって大きな魅力です。
【考慮点】
知名度はSales Markerに比べるとこれからのサービスといった印象ですが、機能対コストのバランスは群を抜いています。
3. Apotoru(アポトル)

【概要】
ウィルゲート社が提供する、決裁者アプローチ支援ツールです。
【メリット】
会社名、部署、キーマン情報、SNSといった基本情報はしっかり押さえられています。
【考慮点】
コストは初期15万+月額20万円(年間契約)と、SHO-GUNよりは高くSales Markerよりは安い中間層です。ただし、上位2ツールと比較すると、アクション連携(ツール内から直接アプローチする機能など)の面で少し見劣りする印象がありました。「リスト作成」に特化するならありですが、実行までシームレスに行いたい場合は検討が必要です。
【結論】機能とコストのバランスなら「SHO-GUN」がおすすめ
今回のリサーチ結果として、個人的な推奨ツールは「SHO-GUN」です。(2025年12月時点、以後変わるかもしれません)
理由は以下の3点です。
- 圧倒的なコストパフォーマンス: 月額9万円でキーマン特定からインテント情報まで使えるのは破格です。
- 契約の柔軟性: いきなり年間契約を結ぶのはリスクがありますが、半年契約ならPoC(実証実験)としても導入しやすいです。
- 独自データ: 「導入ツール情報」がわかることで、より戦略的なアプローチ(リプレイス提案など)が可能になります。
もちろん、予算が潤沢にあり、全社的にインテントセールスを大規模展開するならSales Markerも強力な選択肢ですが、「まずはバイネームでのアプローチを強化して成果を出したい」というフェーズであれば、SHO-GUNが最も理にかなっていると感じました。
営業効率にお悩みの方は、一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。
マーケティング・セールスの設計にお悩みではありませんか?
今回のツール選定のように、弊社ではクライアント様の課題に合わせた最適なソリューションのリサーチやご提案を行っております。
弊社はハンズオンにてCMO代行を実施しております。「ツールを入れたけれど使いこなせない」「そもそも誰にどうアプローチすべきか設計できていない」といったお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。